私の知らない恋の話。

「え、普通に良かったと思うけど。速かった」
「……やだ負けた」
「相手陸上部でしょ?結構食らい付いたんじゃない?」


かっこよかったんじゃない?、と適当に流して俺の前にしゃがみ込む。


きゅうっと、胸が締まる感覚。
……かっこいい、安売りしてるじゃん。



「悔し泣き?」
「泣いてない」
「あ、そう?」
「うん……」


なぎはポニーテールを揺らしながら、俺の顔を覗き込んでくる。
……あざとい。


「そんな落ち込まないの」
「……なぎにちゃんと、かっこいいって思ってほしかった」
「なにそれ」


なぎは呆れたように笑う。
隣に座り込んだ女の子はやけに複雑そうな顔をして、なぎのことを睨みつけている。


「次回に期待」


なぎは俺の頭を撫でて、恋花探してくる、とどこかに行ってしまった。


……次回、かっこいいもらいたい。