私の知らない恋の話。

そこにピアスは入っていない。
穴は塞がっていないから、普段はつけているのか。
それとも塞がるのがゆっくりなだけか。


……すごく、嫌そうな顔だけど。


「へぇ〜……もえ真面目かと思ってた」
「真面目。……開けられただけ」
「いいと思うけどね?オシャレ増えるじゃん」
「……ピアス全部捨てた」
「もったいない」


もえは、ピアスホールに触れて、チラッとこっちを見る。


「ピアス、好き?」
「私は開けたくないけど。見てるのは好き」
「……じゃあ新しいの買っとく」
「うん」






のんびり街中を散策して、流石に桜の散ってしまった季節だったけど、街並みは全然綺麗だった。
人力車にすれ違って、あれいいね、なんて歩き疲れたなぁなんて思った私が言ったら、本当にのせてくれちゃって、下手なことは言わないでおこうって思った。


人力車を引いてくれたお兄さんが、写真を撮ってくれて、やけにテレた様子で写真に写っていたもえがちょっと可愛かった。