「これ見て。」

そこには、白と黒のパーカーが二つ。それも、ななちゃんサイズだ。

「どうして?2つ?そんなに欲しかったの?」

「ちがうよ。くるちゃんとおそろいがいいの」

「へっ!?私に着せる気!?」

「別にいーでしょ。部屋着としてだから」

「で、でも……!」

お、男の人用だし。

その瞬間、不覚にも胸がドキッとする。

すると、私の中の乙女心が、彼氏のぶかぶかな服を着るということを考えてしまった。

「じゃあ、ロリータ着てみようか」

私に白い毛布のようなものを巻いて、中で服を脱がせて着せて。

幼い頃から一緒にお風呂とか入ってたし、別にいいんだけど、ななちゃんがそこはだめらしく、いっつも着替えさせてくれるけど、この形。

「よしできた」

バッと毛布を取ると、私は見事に服を着替えさせられていた。

「やだっ……!恥ずかしい!ってかどこで買ったの!?」

「子供用のワンピース——」

「おバカ!!」

クッションを投げつけて、別室に行き着替えを探す。

けれど、案の定着替えは見つからず。

ふと視線を上に移せば、いまは春、いや梅雨だけれど、冬服しかなくて。