学校に着き、くるちゃんの教室前で解散。

 ゆっくりと自分の教室に向かう。

 女子の視線がうざい中、自分の窓近くの席に座り、うつ伏せる。

 すると、ふと思い出した。昔の記憶。

 幼い頃の、一つの思い出。



『ななちゃん、今度花火大会があるらしいんだけど、よかったら一緒に行かない?』

『僕なんかでいいの、一緒に行くの』

『うん!ななちゃんと行きたい!』

 そんな調子で、俺はくるちゃんと花火大会に行くことになれて。

 当日、初めて浴衣を着て、くるちゃんのことを集合場所で待っていた。集合場所は、花火がよく見える河原。

 1人ポツンと座って、空を見上げる。

『まだかなぁ……』

 とってもとっても楽しみにしていたから、ドキドキして、くるちゃんが来るのにもちょっと緊張しちゃったりして。