「ご、ごめんなさい。これはその……さくらちゃんが花田くんの事好きだって聞いたから……なんか良い絵だなって思ってつい撮っちゃって……」

 言い訳をしてみるけれど、許可も取らずに隠し撮りしたようなものだ。

 何を言っても気まずい。


 でも、さくらちゃんは恥ずかしそうに微笑んでくれた。

「この写真、あたしに送ってくれる? 良く撮れてる。嬉しい」

 そう言った様子は同性のあたしでもキュンとしてしまいそうで、可愛すぎる。

 しかも隠し撮りを許してくれるとか優しい。


「今すぐ送るね」

 そうしてあたしがスマホをいじっていると、沙良ちゃんが少し声を落として話し出した。


「そういえば、花田とはどうだったの? 一昨日は良い感じに見えたけど?」

「え、どうって……」

 聞かれたさくらちゃんは困ったように言葉を(にご)らせる。