それからひと月。
決意もむなしくその二つ名は皆に呼ばれ続けている。
流石に長ったらしいので短縮され、そっちの方が定着してしまったけれど。
あたし達が嫌がっているのが分かっているから美智留ちゃん達は言わないでいてくれる。
でも、他の人は面白がって結構言ってくる。
「美の総長、今日も美しいな!」
「うっせぇ! 美しさとかいらねぇんだよ!」
「美の女傑、またメイクしてね!」
「その呼び方やめたらいいですよ!」
そんな感じで、あたし達も少しずつこの呼び方に慣れてきてしまっているところがまた怖い。
あたし達は呼び掛けて来る生徒達から逃げるように校門を出て、あたしの家に向かった。
今日は久しぶりに陸斗がメイクさせてくれると言うので、早目に帰るんだ。
今日家にはお母さんがいるけれど、陸斗のことは紹介済みなので問題はない。
帰ると、早速メイクを始める。
大好きな彼に、あたしの大好きなメイクを施すの。
「お前はやっぱりメイクしているときが一番綺麗でカッコイイよ、灯里」
そう言ってくれる陸斗に、あたしは微笑んだ。
さあ、メイクの時間だ――。
END
決意もむなしくその二つ名は皆に呼ばれ続けている。
流石に長ったらしいので短縮され、そっちの方が定着してしまったけれど。
あたし達が嫌がっているのが分かっているから美智留ちゃん達は言わないでいてくれる。
でも、他の人は面白がって結構言ってくる。
「美の総長、今日も美しいな!」
「うっせぇ! 美しさとかいらねぇんだよ!」
「美の女傑、またメイクしてね!」
「その呼び方やめたらいいですよ!」
そんな感じで、あたし達も少しずつこの呼び方に慣れてきてしまっているところがまた怖い。
あたし達は呼び掛けて来る生徒達から逃げるように校門を出て、あたしの家に向かった。
今日は久しぶりに陸斗がメイクさせてくれると言うので、早目に帰るんだ。
今日家にはお母さんがいるけれど、陸斗のことは紹介済みなので問題はない。
帰ると、早速メイクを始める。
大好きな彼に、あたしの大好きなメイクを施すの。
「お前はやっぱりメイクしているときが一番綺麗でカッコイイよ、灯里」
そう言ってくれる陸斗に、あたしは微笑んだ。
さあ、メイクの時間だ――。
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