工藤くんと花田くんは肌トラブルを隠したり、肌のトーンを明るくしたりしただけでそれほど変わりはない。

 少しは変わっていると見て分かるのは小林くんだけだった。


「おお、沙良。どうだ俺? 男らしいメイクしてもらったんだぜ?」

 小林くんは自ら感想を求めに行く。

 沙良ちゃんは顎に手を当ててうーんと唸ると口を開いた。


「あたしの好みではないかな?」

「お、おう。そっか……」

 カッコイイとでも言って欲しかったんだろうか? 明らかに落ち込む小林くん。

 でも、続けた沙良ちゃんの言葉に面白い反応をする。


「でも、早和だからかな? そんな顔も好きだなぁって思うよ」

「っ!!」

 小林くんにだけ向ける表情なんだろう。

 ふわりと優しく笑ったその顔に、小林くんだけでなく皆が軽く息を呑んだ。


 沙良ちゃん、こんな顔するんだ。

 ……それにしても……。


「うわぁ……」

 誰かが小さく声を上げた。

 でもあたしも気持ちは分かる。