地味同盟〜地味男はイケメン元総長〜

 逆にここまで素直に謝られるとこちらも悪い気がしてくる。

 あたし、結構好き勝手にメイクしちゃったし。


「いいよ、そんなに気にしないで」

 だからそう言ったのに、彼女は「優しいんだね」と笑って帰って行った。


「……」

 うっ、なんかちょっと罪悪感が……。


「でも良かった。一番心配だった二人が認めてくれて」

 罪悪感に打ちひしがれているあたしを他所に、さくらちゃんがそう言った。


「そうね。灯里の良さを分かってもらえて良かったよ」

 美智留ちゃんも安堵の息を吐きつつそう言う。


 そんな安心しきった空気だったけれど、あたしは逆に緊張感を高めた。

 だって、次の子は要注意人物だから。

 プレゼンしたときに、陸斗の写真をこっそりポケットに入れようとしたあの子だ。


 警戒するに越した事はない。


 そうして、本日最後の子が教室に入ってくる。