元々地毛が普通より明るめな人で、肌も色白だったから彫りの深い顔にしたらハーフっぽくなるんじゃないかなって思って。

 実際にやってみたら結構ハーフっぽく見えるようになったんじゃないかと思う。

 これでカラコンでも入れればもしかしてハーフ? と聞かれるくらいにはそう見えるようになるだろう。


 しばらく鏡を見ていた彼女は、ハッとすると鏡を机の上に置くと立ち上がってあたしを見下ろした。

「宮野さんたちがカッコイイとか言うからどんなものかと思ったけれど……。ま、まあ、まずまずかな? メイクの腕も良いし、認めてあげなくもないこともなくない」

「……ん? え、どっち?」

 良く分からなくて聞き返すと、更にテンパり気味になったその子は教室の出入り口に向かいながら言う。

「認めてあげなくもないこともなくなくなくないわ! じゃあね!」

 そうしてドアを閉めて帰って行ってしまった。