「え?」

 何が凄いのかと思い聞き返すと、ハッとなった彼女はアタフタと良く分からない動作をした。

「へ? あ、いや。そうじゃなくて……って、それより鏡! どんなメイクしたのよ!?」

 と、あたしに手を差し出してくる。

 鏡をくれと?

 いや、貴方のすぐ隣の机に置いてあるんだけれど……。


 何故かは知らないけれど、彼女は地味にテンパっている様だ。

「はい、どうぞ」

 仕方ないので取って渡してあげると、自分の方が近かったことに気付いてばつの悪そうな表情で鏡を受け取った。

 そして鏡に自分の姿を映した彼女は、目をまん丸に開く。


 あたしのメイクを整形メイクとか言ってたから、仕返しも()ねて別人に見えるようなメイクをしてあげた。


 とは言え、彼女の場合は少し彫りの深い顔になるようにメイクしただけだ。