「あんた達、さっき自分がどれだけ酷い事言ったか分かってる? 良く知りもしないのに、勝手に見下して(おとし)めたんだよ? それって酷いし、陰険(いんけん)だよね?」

「っ!」

 彼女達と一緒にあたしも息を呑む。


 さ、沙良ーーー!?

 その言い方!

 せっかくあたしの怒鳴り声で蓋して鎮火した油に、また火種投げ込むようなものだってーーー!


「陰険って、明川さんも酷いこと言うじゃない!」

「あたしは思った事そのまま言っただけだけど?」

「それが酷いって言ってるのよ!」


 ああああああ。

 更にカオスになってる……。


 どうしたものかとアワアワしてると、大きく息を吸ったさくらが「ストーーーーーーップ!!」と声を張り上げた。

 普段大人しめなさくらが大きい声を上げたので、皆目を丸くしてビックリしている。


「どっちが酷いかとか、そんなことは比べるものじゃないでしょ。そんなことしたって悪い方にしか向かないんだから」

 冷静な言葉に女子たちも沙良も押し黙る。