地味同盟〜地味男はイケメン元総長〜

「じゃ、じゃあな!」

 最後にそう言ってドアをしっかり閉めると、逃げる足音と悲鳴が遠のいてくのが聞こえた。

 よっぽど怖かったのか、途中で転ぶ音すら聞こえてくる。



 そんな騒がしさもなくなり、室内がシンと静まり返る。

 ピリピリとした空気が肌に痛い。


 陸斗くん、まだ怒ってる……?


 今の陸斗くんは、あたしが今まで見た中で一番怒ってるように見えた。
 ……少し怖い。


「……陸斗くん?」

 でも、このままずっと何も言わず動かずにいるわけにはいかない。
 名前を呼ぶと、伏せていた顔が上げられた。

「っ!」

 鋭い眼差しがあたしを射貫く。
 彼はそのままあたしに近付いて来た。

 あたしは思わず後退りしてしまう。
 そうして窓際に追い詰められたあたしを閉じ込めるかの様に、あたしの横に腕を突かれた。


 これって壁ドン? いや、窓だから窓ドン?


 現実逃避なのか、関係ないことを考えてしまう。