地味同盟〜地味男はイケメン元総長〜

 そこで、と彼女は続ける。

「今から実際に男子のメイクを実演してもらいます。日高、こっちに来て頂戴」

「ああ」

 呼ばれて陸斗くんが席を立つ。


 メガネを外して教卓の上に置き、前髪をかき上げる。

 そしてくるりと振り返って、皆の方を向いた。


 あたしはすかさず耳を塞ぐ。

『はぁあああぁぁぁ!!!???』

 またしても大音量が教室内に響いた。


 あたしはちゃんと学習する女なのだ。


 でも今度は陸斗くんが間に合わなかったようで、物凄く眉間にしわが寄っている。

 うん、痛いよね。鼓膜が。


「ちょっ、嘘でしょ!? 地味男じゃなかったの?」

「え? メイク前だよね?」

「メガネを外したら、とか何て典型的なパターンだよ!?」

「マジであるんだな、こんなこと」

 そんな言葉を聞きながら、あたしは主に女子に目を光らせる。


 陸斗くんの顔を見て一目惚れとかしてる人はいないよね!?

 いたら困る!


 ハラハラドキドキしながら見まわしていた。