「相手は男? だったら待たせとけばいいじゃん。こんな可愛い子達待たせるとかあり得ないし」

 そんなとんでもない提案をして来て、更に近付いて来る。

 だからあたしは美智留ちゃん達と彼らの間に立つようにして更にお断りの言葉を発した。


「何であろうとあなた達とは遊びません。他を当たってください」

「ちょっと、灯里」

 強気な態度に出るあたしを心配したのか、美智留ちゃんが止めるように声を上げる。

 でもちょっと遅かった。


「はぁ、分かってる? 俺たちの本命は君の後ろの三人。そんなに待っていたいなら君が一人で待ってろよ」

 あたしの事は眼中にないことくらい分かってるわよ!

 そう口を開こうとしたけれど、それより先にあたしを止めようと近付いて来ていた美智留ちゃんが掴まった。


「ね、この子だけ放って遊ぼうぜ?」

「あっ!」

 腕を掴まれ、美智留ちゃんが引き寄せられそうになる。

 引き留めようと手を伸ばしかけたところで、あたしと美智留ちゃんの肩に第三者の腕が乗っかって来た。