「誰がテメェなんかに奪わせるかよ」
そう言って陸斗くんはあたしに応える様に抱きしめる腕に力を込めた。
離さない。
そう言ってもらえているみたいで、嬉しかった。
キュウッと胸の辺りが締まる感じ。
ああ、これがキュンとするってやつだ。
どうしよう、自覚した途端好きが止まらない。
トクントクンと、優しく、でも確実に早く心臓が鳴っている。
きっと、あたしの顔は真っ赤だろう。
溢れるほどの感情が制御出来なくて、声を抑えるのが精一杯だった。
「まあ、何と言われようと諦めるつもりはないけど……。でも今日のところはこのまま帰してあげるよ。面倒なことにはなりたくないからね」
杉沢さんはそう言って萎縮しているお兄さんの方を見た。
……うん、お兄さんのせいで面倒なことになってるもんね。
呆れから、あたしも少し冷静さを取り戻す。



