一人だと持つの大変じゃないかな? と思っていると、さくらちゃんが名乗り出る。

「花田くん、あたしも手伝うよ」

「おう、サンキュ」

 そうして二人が離れていくと、あたし達は先にジェットコースターの行列に並びに行く。


 歩きながら美智留ちゃんが近付いてきて、こそっと耳打ちして来る。

「あのさ、本人に内緒で言っちゃうのもどうかと思うんだけど……さくらって花田のこと好きなのよ」

 それを聞いたあたしは驚いて美智留ちゃんを見る。


 確かに言われてみれば、さっきもさくらちゃんは頬をピンク色に染めていた。

 もしかして苦手なジェットコースターに乗ると言ったのも、花田くんと乗りたいからじゃないだろうか。