念を押すように言われて、少し言葉に詰まる。

 理解は、した。でも。


「分かったけど……何だか信じられなくて」

 中学の頃の男子にはメイクの話ばっかりでウザいと思われていたみたいだし、あたしのメイクオタクっぷりを知っている日高くんがまさかあたしを好きだなんて……。

 ちょっかいはかけて来るから、嫌われてはいないだろうなと思ってはいたけれど、まさか恋愛的な意味で好きだとは……。


「信じられねぇなら、何度でも言ってやるよ。俺は灯里のことが好きだってな」

 そこで名前を呼ぶとか、何だか反則な気がした。

 はわわわわ、と恥ずかしさで言葉にならない声が口から漏れる。


「好きだ、灯里」

 そう繰り返す日高くんの顔が近付いて来る。

 あたしはとっさにその肩を押した。