「真剣にやってるってのがすぐに分かるくらい空気が変わったし。なんか、動きも洗練されてる感じで神聖なものでも見ている気分だったし……」

 思い出しながら話しているのか、少し目を逸らして日高くんは話す。


「そんなカッコ良くて綺麗なお前が俺だけを見てるって思うとゾクゾクした。そして最後に出来に満足したのか笑顔になっただろ? もうあれ、恋に落ちて下さいって言ってるのかと思うくらいだったぜ?」

「……」


 な、なによそれ……。

 日高くんが言っているのってあたしの事なんだよね?


 信じられないけれど、彼は言い終えると真っ直ぐにあたしを見ていた。

 嘘じゃないってことは、流石に分かる。


「……そんな風に、言われたの初めてなんだけど……」

 熱が顔に集中して来る。

 これは、照れる。