「あれ? お前らどこ行くの?」

 お昼休み。
 いつものように皆でお昼を食べようと近付いて来た工藤くんが、お弁当箱を持って席を立つあたし達にそう言った。

「今日は女子会の約束してるのよ。たまには男女別もいいでしょ?」

 美智留ちゃんがそう告げて、あたし達は教室を出る。


「あんまり人がいない方が良いんだけど、どこか良い場所あるかなぁ?」

 出てきたはいいもののどこで食べるかは考えていなかったらしい美智留ちゃんがそう言ったので、あたしは以前一人でご飯を食べていた場所を案内する。


 屋上に続く階段。

 勿論屋上は立ち入り禁止だし施錠されている。

 でも行く用がある生徒なんていないから、その辺りはいつも静かなんだ。


 一人になりたい生徒が行くには丁度良い場所なのか、たまに先客がいるけれど。

 今日はいなかったので、そこで食べる。