「俺の親父も昔総長やっててな。じいさんもどっかの学校で番長やってたとかで……いわゆる不良一族? とでもいうのか?」

「……それはそれで凄いね」

 コメントに困る。


「とにかくそんなだから、小さい頃から護身術代わりにケンカの仕方ばっかり教えられてよぉ。まあ、不良になるのは当然の成り行きだよな」

「そう、だね……」

 ……ん? そうなのかな?


「で、火燕はホント実力主義で、ケンカが強い奴が総長なんだよ。それでケンカの英才教育を受けてた俺は中学生にして総長になっちまった訳」

「ケンカの英才教育……」

 もはやどうコメントしていいのやら。


「でも同じ道を歩いて来た親父からすれば、やらかしてしまったーって感じだったらしい。おふくろに鬼の形相で怒られてたっけ」

「……お母さん、強いね」

 まあ、そんな人じゃないと元総長の奥さんにはなれないのかな?