ここで逆らうとイジメは更にエスカレートしていくことがわかっていたから、逆らうことができなかった。


でも、まさかカッターナイフまで持ち出されるとは思っていなかった。


あたしは自分の首に手を当てて、そのときの恐怖を思い出していた。


冷たい刃の感触がしっかりと残っている。


真里菜に自分の命を握られているという絶望感も、胸に刻まれた。


これ以上耐えることはきっと不可能だ。


精神が壊れる前に、本当に殺されてしまうかもしれないのだから。


美緒が出てきたら相談しないと。


そう思っていたときだった。


足音が近づいてきてあたしは視線を向けた。


咲たちだ。


まだここにいると知られたらなにを言われるかわからない。


あたしはすぐに下駄箱の裏に身をかくした。


「本当にやるの?」


そんな光の声が聞こえてきて耳をすませる。


「当たり前じゃん。全部の願いが叶うんだよ?」


「でも、ただの都市伝説だよね? もし失敗したら?」


「大丈夫。ちゃんとバレないようにやるから」