真里菜は真っ青になり、悲鳴をあげることすらできなくなってしまった。


男はねばついた視線を真里菜へ向けて、そしてズボンのポケットから何かを取り出した。


それがギラリと光ったことで、ナイフであることがわかった。


真里菜がか細い悲鳴を張り上げる。


けれどそれはあまりにも頼りなく、行きかう車の音でかき消されてしまうほどのものだった。