【side 夜毎】

「はぁ……やっと終わった……」

 大きなため息をつき、ノートパソコンを閉じて家に向かう。

 急に呼び出されては、仕事を手伝わされて、まったく、こればかりは自分が可哀想だ。

 早く、充電しないと。

 屋敷を出て、車を待つ。

「お、おい!お前!!」

「あ?なんだガキ」

「っ!い、苺谷先輩は、俺がもらう!」

「は?てめなに言ってんだ」

「だ、だから……」

「奈結は俺の婚約者だ。とっとと失せろ」

「……色々と情報は集めた。お前、無理矢理婚約させたんだろ?第一、本当に苺谷先輩はお前に好意を持ってるのか?」

「っ」

 た、たしかに、言わせた感はあったけれど、嫉妬は、してくれたみたいだしな……。