「あ、し、執事さん、よろしくお願いします!」

「え?あ、あ、はい」

「……?」

 な、なんか焦ってる……?

「あ、あの、大丈夫ですか?体調でも悪いんじゃ……?」

「いえ、じょ、女性が苦手で……」

「ええっ……!?じゃ、じゃあごめんなさいっ……!!」

「いいえ、奈結様は悪くありません。それに、こちらこそ申し訳ありません。」

「い、いえ!そ、そんな、お気にかけずに……!」

 に、しても……執事さんも、すごくお顔の整った方だなぁ。

 夜毎の周りの人って、夜毎もカッコいいし、カッコいい人が多いのかなぁ?

 そんなことを思いながらも、無言な時間が数分続く。

「あ、あの、おぼっちゃまと、お付き合いされてるんですよね?」

「あ、はい……!」

 は、話しかけてくれたっ……!

「あ、あの……!執事さんは、おいくつなんですかっ……?」

「18歳です。バイトで働いてます」

「そ、そうなんですか……!」

 18歳……!私の一個歳上……。

「あ、夜毎様が来ました。」

「あっ……!本当だっ……!」

 よ、夜毎やっぱりカッコいいなぁ……。

 車のドアを開けて、私の隣に座る夜毎。

「ん?どうした?」

 思わず見惚れる。

 もう自惚れてるよ、私……。

「み、見惚れてた自惚れてたっ……!」

「っ、そっか。ふふっ、やっぱり1秒たりとも可愛くないことなんてないね。」

「そ、そんなことないよ!よ、夜毎ぐらいだし、可愛いって言ってくれるの……」

「それは、俺としか接してないからでしょ?」

「あっ……たしかに……でも、可愛いなんて嬉しいこと言ってくれるのは、夜毎だけ……っ……!」

「っ……。そっか……よかった。俺以外に可愛いなんて言われてたら、その可愛いって言ったヤツぶっ殺そうかと思っちゃったよ」

「ええっ……!?そ、そんな……!?」

「うん。それぐらい、可愛いよ」

 ちゅっと私の額に口付けた夜毎に、次第に額が熱くなる。

「ふふっ、可愛い。顔真っ赤だね」

「う、うるさいっ……!は、恥ずかしいしから見ないでっ……!」

「じゃあ顔は見ないから」

 そう言って、今度は私を優しく抱き寄せる。

「っ……」

「これでいいよね?」

 また、夜毎の鼓動が聞こえる。

 やっぱり、は、速いっ……!

 その速度が嬉しかったり、密着して自分の鼓動の速度も速くなったりと色々なことが一度に起きすぎていて、頭が追いつけていないけれど、とにかくいまわかるのは、私は……夜毎が、好きってこと……。

 な、なんて……!み、認めたくないのかな……?この前、認めちゃったけど……。