「ち、近いってばぁ……!?」

「じゃあもっと近づくか?」

 思わず近すぎて、起こした体が後ろに倒そうになり、慌てて後ろに手をつく。
 
「どうしたそんなに顔赤くして」

「よ、夜毎は、ど、ドキドキとかしないの……?私が好きならするでしょ……?」

 思わずそんなことを言ってしまい、引かれたかと焦る。

 で、でもやっぱり、夜毎のことは好きだけど、恋愛感情としてではないんだ……。

 それに、夜毎は好きと言ってくれたけれど、なんらかの理由で、無理矢理婚約させられて、こう振る舞ってくれているだけの可能性だって、あるんだからっ……!