「あ!ジェットコースター乗りたい!」

「えー……?本気?」

「だめぇ……?」

「はぁ、いいわよ、じゃあ、先輩、夜毎、行きましょう」

「ふふっ、うん」

 無言で奈結の後ろをついていく。

 彩葉も、奈結のあの顔には勝てない……か。

 奈結、楽しそうだなぁ。

「あ、あの!よければ私達と回りませんかぁ?」

「こんな子達放っておいて!」

 案の定。

「無理——」

「すみません、マジでやめてください、こんな子達ってなんですか?誰のこと言ってるんですか、マジで意味がわからない、僕達のこと知りません?」

「えっ?あ!久遠財閥と入日財閥の!」

「きゃー!!運命!?運命なのね!!」

 うるせぇ……マジで、ブチギレそう……。

「ふふっ、よくわかりましたね、そうですよ、だから——お前達を社会的に、人生まるごと潰すことなんて朝飯前、さっさと消え失せろ」

 っ……殺気が……。

 ヤバい、この人腹黒だ……。

「「ひっ……!すみませんでしたっ……!」」

「あ、ありがとうございます」

「いいえ、大丈夫だよ、ほら早く行こ——」

 ふと奈結達の方に視線を移せば、奈結達が男に絡まれているのが見えた。

 2人で話して世界に入ってしまっていたのか、距離もだいぶある。

「早く行こうか」

「はい」

 走って奈結達のところに向かったのは、もう遅いらしく……。

「ガハッ!!」

「彩葉ちゃんに手出さないでください!!」

「お前っ……!ふざけ——ぐっ!!」

バタン。

 奈結が、やったらしい。