「美月わりぃ。マンゴージュースでも良い?」


朝陽くんが、部屋の真ん中にある黒のテーブルの上に、ジュースの入ったふたり分のグラスを置いてくれた。


マンゴージュースの微かな甘い匂いが、鼻をくすぐる。


「ありがとう。朝陽くん、マンゴージュースが好きなの?」

「うん、好き。ていうか甘いのが好き」


そうなんだ。意外と甘党なのかな?


私は、ストローでマンゴージュースを飲む。うん、濃厚な甘さで美味しい。


「はぁー、やっとみつとふたりきりになれた」


朝陽くんが、私の隣に腰掛ける。


「なぁ、みつ。それ、俺にも飲ませて?」


え? テーブルに朝陽くんの分もあるんじゃ……?


と、思ったときにはすでに、私の手元に顔を近づけていた朝陽くんは、私が持っているグラスのストローを口にしていた。


「ん。あまっ」