「「キャーー!!」」 ──ビクッ! 何の前触れもなく、いきなり耳をつんざくような黄色い声が教室中に響いて、私の心臓は飛び出しそうになる。 なっ、何ごと!? いつの間にか、私の席の近くにいた女子は皆、一斉にいなくなっている。 私が、声がしたほうへと視線を移すと……教室の出入口で、何やら人だかりが。 その人だかりの中心にいる人は……。 「うそ! みっちゃん、王子様だよ!!」 七星が珍しく、興奮したように言う。 なんで隣のクラスの一之瀬くんが、うちのクラスに?