本人の前でかっこいいって、言っちゃった。恥ずかしい……。 でも、一之瀬くんをかっこいいって思ったのは本当だから。 「……ごめん、美月。今のちょっと声が小さくて、よく聞こえなかった」 申し訳なさそうに言う、一之瀬くん。 「せっかく言ってくれたのに、悪い」 え、今の本当に聞こえなかったの? 「俺、最近耳が遠くなったみたいで……」 一之瀬くんが私の口元に、耳を寄せてくる。 えーっと、これは……