俺が好きなのは、ずっとお前だけ。



「あ! 朝陽くーん」


中庭から校舎へと移動し、教室までの廊下を歩いていると。

胸焼けしそうな、甘ったるい声に名前を呼ばれた。


「どこ行ってたの? さっきからずっと、探してたんだよー?」


そう言って、前からこちらへ歩いてきたのは、同じクラスの女子。

名前は、成宮(なりみや) (あかね)


はぁ……また俺のところに来たのか、こいつ。俺に気があるのか、よく話しかけてくるんだよな。


いつもばっちりと化粧をしていて。両耳には、いくつものピアス。

明るい栗色に染められた髪の毛は、ゆるく巻かれている。

スカートは、パンツがギリギリ隠れるくらいの際どい位置まで短くしている。


いくら校則がゆるいとは言え……。

ていうかその短いスカート、いつもながら目のやり場に困る。