期待半分でおそるおそる目を開けると、フィオナの後頭部が見えた。床に座り込み、オスニエルの肩に頭を預けるようにして寝ているのだ。
「こ、この女……」
期待させておいて……と考えてから、期待とは何だ! と脳内が大混乱だ。
「……おいしい」
だが、フィオナの寝言を聞いたとたん力も抜ける。
「全く、のんきなもんだ。人質だという自覚があるのか」
髪を撫でれば、銀色の毛がさらりと流れている。彼女にとって、ここでの生活はなんなのだろうと、ふいに思う。
殺されかけたことも分かっていて、どうして平気な顔でこんな無防備な姿を見せられるのか。華奢な体に、妙に肝の据わった性格。そのギャップにどうしても目がいってしまう。
オスニエルは起き上がり、フィオナを抱き上げた。彼女の眠りはそれなりに深く、小さく呻いただけで眠り続けている。
寝室へ連れていくと、彼女の飼い犬がベッドを占領していた。
「どけ。寝かす」
「キャン」
ドルフは小さく不満の声を上げながらもベッドの場所を開けた。そこにオスニエルがフィオナを下ろす。ガウンの隙間から見える、薄い夜着に、オスニエルは目のやり場に困る。
少し酔っていることもあり、どうにもムラムラしてくる。
(妻は妻だ。別に手を出しても……)
本能に従って彼女の頬に手をあてれば、「ギャン」と犬に鳴かれてしまう。我に返ったオスニエルは、「なんでもない!」と誰にとは言わず言い訳をして、フィオナに布団をかけ、足早に部屋を出ていった。
「こ、この女……」
期待させておいて……と考えてから、期待とは何だ! と脳内が大混乱だ。
「……おいしい」
だが、フィオナの寝言を聞いたとたん力も抜ける。
「全く、のんきなもんだ。人質だという自覚があるのか」
髪を撫でれば、銀色の毛がさらりと流れている。彼女にとって、ここでの生活はなんなのだろうと、ふいに思う。
殺されかけたことも分かっていて、どうして平気な顔でこんな無防備な姿を見せられるのか。華奢な体に、妙に肝の据わった性格。そのギャップにどうしても目がいってしまう。
オスニエルは起き上がり、フィオナを抱き上げた。彼女の眠りはそれなりに深く、小さく呻いただけで眠り続けている。
寝室へ連れていくと、彼女の飼い犬がベッドを占領していた。
「どけ。寝かす」
「キャン」
ドルフは小さく不満の声を上げながらもベッドの場所を開けた。そこにオスニエルがフィオナを下ろす。ガウンの隙間から見える、薄い夜着に、オスニエルは目のやり場に困る。
少し酔っていることもあり、どうにもムラムラしてくる。
(妻は妻だ。別に手を出しても……)
本能に従って彼女の頬に手をあてれば、「ギャン」と犬に鳴かれてしまう。我に返ったオスニエルは、「なんでもない!」と誰にとは言わず言い訳をして、フィオナに布団をかけ、足早に部屋を出ていった。



