あまりにも顔を見せない彼にしびれを切らし、自分から後宮を出ていって、オスニエルに約束を取り付けたが、意外にも怒られなかった。
緊張が解け、フィオナは今のソファに体を預けてくつろいだ。脇から、賑やかな声がする。
「よーしよし、ドルフ様! よしというまで待つんですよ」
「キャン!」
「よし!」
「キャン!」
ドルフがポリーからおやつをもらっている。何年も生きている聖獣のくせに、そしてもう正体もばれているのに、子犬らしい仕草をするところがあざとい。
(でも、ドルフがいると安心するな)
普段なら怯えてしまうオスニエルに対しても、ドルフがいてくれると強気でいられる。なんだかんだと精神安定に大きな影響を及ぼしているのだ。
「ポリー、そろそろ準備してくれる?」
「はい。オスニエル様がお越しになるのですよね。お酒とおつまみはちゃんと用意してありますからご安心ください!」
「ありがとう」
酔わせて、「うん」と言わせる作戦である。
「あと、フィオナ様の衣裳も用意いたしました」
「衣裳?」
「失礼ながら、お持ちになった夜着はあまりに落ち着いたものばかりでしたので。良ければお使いください。素敵な髪飾りを作っていただいているお礼です!」
ポリーが差し出したのは、スケスケの夜着だった。思わず顔を引きつらせていると、ポリーは善良そうな微笑みでこう言い放った。
「オスニエル様の久しぶりの御渡りですし。男女間には色仕掛けも大事ですよ!」
「ほほ……はい」
フィオナはぎこちなく笑いつつも脱力した。
緊張が解け、フィオナは今のソファに体を預けてくつろいだ。脇から、賑やかな声がする。
「よーしよし、ドルフ様! よしというまで待つんですよ」
「キャン!」
「よし!」
「キャン!」
ドルフがポリーからおやつをもらっている。何年も生きている聖獣のくせに、そしてもう正体もばれているのに、子犬らしい仕草をするところがあざとい。
(でも、ドルフがいると安心するな)
普段なら怯えてしまうオスニエルに対しても、ドルフがいてくれると強気でいられる。なんだかんだと精神安定に大きな影響を及ぼしているのだ。
「ポリー、そろそろ準備してくれる?」
「はい。オスニエル様がお越しになるのですよね。お酒とおつまみはちゃんと用意してありますからご安心ください!」
「ありがとう」
酔わせて、「うん」と言わせる作戦である。
「あと、フィオナ様の衣裳も用意いたしました」
「衣裳?」
「失礼ながら、お持ちになった夜着はあまりに落ち着いたものばかりでしたので。良ければお使いください。素敵な髪飾りを作っていただいているお礼です!」
ポリーが差し出したのは、スケスケの夜着だった。思わず顔を引きつらせていると、ポリーは善良そうな微笑みでこう言い放った。
「オスニエル様の久しぶりの御渡りですし。男女間には色仕掛けも大事ですよ!」
「ほほ……はい」
フィオナはぎこちなく笑いつつも脱力した。



