ポソリとローランドがつぶやく。彼らはフィオナをとても大切にしてくれていた。ローランドはいつだって誠実にフィオナに接してくれたし、トラヴィスは妹のように扱ってくれていた。フィオナが十三歳のときに、聖獣の加護を得られなかったと知ると、ではかわりに自分たちが守ってやるのだと護衛騎士を目指して必死に特訓してくれたのだ。
「無事でいてくれたらいいのだけど」
「見つかったら手紙でご報告いたします」
ローランドはほほ笑み、懐かしそうにじっと見つめた後、おもむろに跪き、フィオナの手を取って甲に口づけする。ブライト王国での忠誠の仕草だ。
「我が姫。再びお顔を見れて、至極幸福でございます」
艶めいた瞳で見つめられ、フィオナはドキリとした。今ははっきりと告白されたことはないが、かつての人生では彼から恋心を告げられたこともある。フィオナに恋情を持っていても不思議はない。けれど、フィオナはそれには気づかないふりをする。今世では誰とも恋をする気はないからだ。
「まあ。ありがとう。私の護衛騎士さん」
フィオナが茶化し気味に言うと、ローランドは寂しそうに微笑み、立ち上がる。
「我が姫。どうかお幸せに」
両手で包み込むように手を包まれ、その温かさに、フィオナは自然にほほ笑んだ。
「無事でいてくれたらいいのだけど」
「見つかったら手紙でご報告いたします」
ローランドはほほ笑み、懐かしそうにじっと見つめた後、おもむろに跪き、フィオナの手を取って甲に口づけする。ブライト王国での忠誠の仕草だ。
「我が姫。再びお顔を見れて、至極幸福でございます」
艶めいた瞳で見つめられ、フィオナはドキリとした。今ははっきりと告白されたことはないが、かつての人生では彼から恋心を告げられたこともある。フィオナに恋情を持っていても不思議はない。けれど、フィオナはそれには気づかないふりをする。今世では誰とも恋をする気はないからだ。
「まあ。ありがとう。私の護衛騎士さん」
フィオナが茶化し気味に言うと、ローランドは寂しそうに微笑み、立ち上がる。
「我が姫。どうかお幸せに」
両手で包み込むように手を包まれ、その温かさに、フィオナは自然にほほ笑んだ。



