フィオナはドルフを抱き上げたまま、ソファに体を預けた。
「なんで、オスニエル様がここに来るのよ」
『さあな。様子を見に来たんじゃないのか』
尻尾をご機嫌に振りながら、ドルフはフィオナの膝の上に乗っている。
「まあでも、あんな宣言したってことは、これからは私に関わらないでいてくれるってことよね」
『さあな』
むくりと体を起こし、ドルフはフィオナの頬をぺろりと舐める。
『ほかの男のことばかり話すな。うるさい』
「だって。あの男は私を殺すかもしれないのよ?」
『そんなこと、もうできないだろう。お前に敵意を向けられれば、俺が授けた力が反応するはずだ』
「そうなの?」
ドルフがくれたのは氷の力だ。フィオナはまだうまく使いこなすことができていないが、確かに殺傷能力はありそうだ。
「じゃあドルフが私に加護をくれたってこと?」
『少しだけだ』
プイとそっぽを向いたので、これ以上追及するのは辞めたが、もしドルフがちゃんとフィオナに加護をくれるのならば、国の決まりに従い、フィオナはブライト王国の女王になれるはずなのだ。
とはいえ、健気で聡明な弟を押しのけてまで、王権を手にする気もないけれど。
(でも、加護があるのなら、国に帰りたい)
故郷を思い、寂しい気分で部屋の方に向かうと、応接室からポリーが元気よく手を振っている。
「フィオナ様―! いい報告があります!」
朝の支度が終わった後から出かけていて、帰ってきたところのようだ。ソバカスの散った頬を赤く染め、うれしそうに飛び跳ねている。
(ポリーは元気ね)
フィオナが苦笑しながら中に入ると、彼女は両手を小刻みに振りながら興奮した様子だ。
「なんで、オスニエル様がここに来るのよ」
『さあな。様子を見に来たんじゃないのか』
尻尾をご機嫌に振りながら、ドルフはフィオナの膝の上に乗っている。
「まあでも、あんな宣言したってことは、これからは私に関わらないでいてくれるってことよね」
『さあな』
むくりと体を起こし、ドルフはフィオナの頬をぺろりと舐める。
『ほかの男のことばかり話すな。うるさい』
「だって。あの男は私を殺すかもしれないのよ?」
『そんなこと、もうできないだろう。お前に敵意を向けられれば、俺が授けた力が反応するはずだ』
「そうなの?」
ドルフがくれたのは氷の力だ。フィオナはまだうまく使いこなすことができていないが、確かに殺傷能力はありそうだ。
「じゃあドルフが私に加護をくれたってこと?」
『少しだけだ』
プイとそっぽを向いたので、これ以上追及するのは辞めたが、もしドルフがちゃんとフィオナに加護をくれるのならば、国の決まりに従い、フィオナはブライト王国の女王になれるはずなのだ。
とはいえ、健気で聡明な弟を押しのけてまで、王権を手にする気もないけれど。
(でも、加護があるのなら、国に帰りたい)
故郷を思い、寂しい気分で部屋の方に向かうと、応接室からポリーが元気よく手を振っている。
「フィオナ様―! いい報告があります!」
朝の支度が終わった後から出かけていて、帰ってきたところのようだ。ソバカスの散った頬を赤く染め、うれしそうに飛び跳ねている。
(ポリーは元気ね)
フィオナが苦笑しながら中に入ると、彼女は両手を小刻みに振りながら興奮した様子だ。



