たどり着いた廊下の突き当りの扉の前に、ひとりの侍女が待っていた。
侍女長が彼女を紹介してくれる。
「ここから先の三部屋と内庭はフィオナ様のテリトリーでございます。現在はほかの妃がおりませんので、この建物自体には空き部屋が多いのですが、ここ以外はご使用にならないよう、お気を付けください。そして、彼女がフィオナ様付きとなる侍女、ポリー・サンダース男爵令嬢です」
「よろしくお願いいたします」
ポリーは、茶色の髪を後ろでひとつに三つ編みしている。赤茶の瞳がくりっとしていて、頬に薄いソバカスがあるのが特徴だ。
彼女のバックグラウンドについては、前世である程度知っている。父親は商人で、金で爵位を買ったと言われている成金だ。そのため、ポリーは貴族令嬢として社交界デビューしたものの、生粋の令嬢たちからは白い目で見られているのだ。
彼女自身は悪い子ではなかったが、社交界で馴染むために、上級貴族からの命令には逆らわないようにしていたのだろう。フィオナの情報はたいていポリーから他の令嬢に、そしてオスニエルにと渡っていった。
(気を引き締めないと……)
彼女には弱みとなるようなことを見せてはいけないのだ。
警戒心もあってじっと見ていると、ポリーは申し訳なさそうにうつむいた。
「ふぃ、フィオナ様、ご案内します。えっと、こちらです」
「ありがとう。きゃっ」
突然、フィオナの腕の中でおとなしくしていたドルフが顔を上げ、ぴょんと地面に降り立った。
「こら、駄目よ。ドルフ」
「キャン」
「駄目。こっちにいらっしゃい」
ドルフは、もの言いたげにじっとフィオナを見上げている。
「どうしたのよ」
しばらくにらみ合いしていたが、ドルフが腕に戻ってくる気配はない。困ってポリーの方を見ると、彼女の目はドルフにくぎ付けになっていた。フィオナは慌てて弁明する。
侍女長が彼女を紹介してくれる。
「ここから先の三部屋と内庭はフィオナ様のテリトリーでございます。現在はほかの妃がおりませんので、この建物自体には空き部屋が多いのですが、ここ以外はご使用にならないよう、お気を付けください。そして、彼女がフィオナ様付きとなる侍女、ポリー・サンダース男爵令嬢です」
「よろしくお願いいたします」
ポリーは、茶色の髪を後ろでひとつに三つ編みしている。赤茶の瞳がくりっとしていて、頬に薄いソバカスがあるのが特徴だ。
彼女のバックグラウンドについては、前世である程度知っている。父親は商人で、金で爵位を買ったと言われている成金だ。そのため、ポリーは貴族令嬢として社交界デビューしたものの、生粋の令嬢たちからは白い目で見られているのだ。
彼女自身は悪い子ではなかったが、社交界で馴染むために、上級貴族からの命令には逆らわないようにしていたのだろう。フィオナの情報はたいていポリーから他の令嬢に、そしてオスニエルにと渡っていった。
(気を引き締めないと……)
彼女には弱みとなるようなことを見せてはいけないのだ。
警戒心もあってじっと見ていると、ポリーは申し訳なさそうにうつむいた。
「ふぃ、フィオナ様、ご案内します。えっと、こちらです」
「ありがとう。きゃっ」
突然、フィオナの腕の中でおとなしくしていたドルフが顔を上げ、ぴょんと地面に降り立った。
「こら、駄目よ。ドルフ」
「キャン」
「駄目。こっちにいらっしゃい」
ドルフは、もの言いたげにじっとフィオナを見上げている。
「どうしたのよ」
しばらくにらみ合いしていたが、ドルフが腕に戻ってくる気配はない。困ってポリーの方を見ると、彼女の目はドルフにくぎ付けになっていた。フィオナは慌てて弁明する。



