愛菜ちゃんの冷たい手がものすごい力で私の腕を握りしめていました。



私は愛菜ちゃんが怖くて、逃げ出したくて、必死に愛菜ちゃんの手を振りほどこうとしましたが、どうしても愛菜ちゃんの手が振りほどけません。



それどころか、愛菜ちゃんは私の体を部屋の中に引きずりこもうと、私の腕を強く引っ張るのです。



私は生きた心地もしないまま、必死に叫ぼうとしていました。



声にならない自分の声に、焦りともどかしさを感じながら、私は必死に愛菜ちゃんから逃げることだけを考えていました。



もしかしたら、そんな私の思いが通じたのかもしれません。



さっきまで寝ていたはずの母が、私の方へと歩いたきたのです。



そして私が母に助けを求めようとしたとき、愛菜ちゃんの冷たい手が急に私の腕を放したのです。



私は恐怖に震えながら、母の胸の中で泣いていました。



私はただ怖くて、怖くて、仕方がなかったのです。