百怪談

夜があけて、辺りは明るくなった頃、オカルトサークルの仲間が旅館の外で震えている私を見つけてくれました。



私はそのことにホッとして、ようやく息をつくことができました。



オカルトサークルの仲間の話によると、智則は立ち入り禁止の部屋の中で倒れていて、それを見つけたおかみさんが、一樹と愛美にそのことを伝えたらしいです。



私はゾッとするような恐怖体験をしましたが、智則はそのことを覚えていません。



智則は何の幽霊に体を乗っ取られていたのでしょうか?



木箱のお札を剥がしてしまった智則は、もしかしたら何かの霊の封印を解いてしまったのかもしれません。



私は無事に帰ってこれたことを今でも幸運に思っています。



そしてもう二度と、あの旅館には近寄らないと心に誓っているのです。