さっきまでの赤ん坊の泣き声は決して空耳ではない。



私はそんな思いを抱きながら、ゆっくりとキッチンへと入っていきました。



しんと静まり返った暗闇の空間。



その空間は私の日常であるはずなのに、私はその空間に不気味さを感じ、息が苦しくなるのを感じました。



そして私はそのキッチンに何もないことを確認したあと、キッチンに背を向け、その場を立ち去ろうとしていました。



でもそのとき、何かが私の足にしがみつき、私はドキリとして、自分の足元に目を向けたのです。