深夜0時、私は赤ちゃんの泣き声で目を覚ましました。



娘の真希はよく夜泣きをします。



私は反射的に起き上がり、となりにいるはずの娘に目を向けました。



でも、私の予測と違って、娘はスヤスヤと眠り、寝息を立てています。



おかしいなぁ。



さっきの泣き声は何だったのだろう?



私はそんな疑問を胸に抱いたまま、また布団に潜り、目を閉じました。



さっきの赤ちゃんの泣き声は気のせいだったと自分に言い聞かせて。



でも、しばらくすると、また赤ちゃんの泣き声が聞こえてきたのです。



その泣き声はとても大きくて、無視できるものではありませんでした。



私は起き上がり、その泣き声がする方へ耳を傾けました。



どうやらその泣き声はキッチンの方から聞こえてくるみたいです。



私は怖くなって、夫に目を向けましたが、夫は疲れているのか、起きる様子は少しもなくグッスリと眠っていました。



私は赤ちゃんの泣き声に恐怖心を抱きながら、ゆっくりと立ち上がり、その泣き声がする方へと足を運んでいたのです。