死なないあたしの恋物語

「千奈も洋人君のことが好きだから、両思いだね」


綾は静かな声で爆弾発言をする。


あたしはまたむせてしまいそうになり、焦って牛乳を飲んだ。


「2人ともやめてよ。あたしいつかご飯を喉に詰まらせて死んじゃうよ」


ごほごほと咳をして2人を睨む。


すると2人は同時に笑って、謝ってきた。


「ごめんごめん。でもさ、実際問題、ちょっと気にしてたほうがいいこともあるかもよ?」


そう言われて視線を移動させると、教室後方であたしを見ている4つの目に気がついた。


美鈴さんと雅子さんだ……。


どうりでさっきから居心地の悪さを感じると思っていたわけだ。


原因がわかって更に気分が重たくなる。


さっきまでおいしく感じていた給食が、今はただ喉を通り過ぎていくばかりだ。


「あの2人、洋人君狙いだったもんねぇ……」


綾がスラッと爆弾発言をする。


なんとなくわかっていたものの、やっぱりそうかという感じてため息が出た。


「いつから?」


聞くと、真夏が難しそうに眉を寄せて「1年生の頃からずっと」と、教えてくれた。


そんなに長いんだ。


1年生の頃の記憶はみんなに植え付けてあるけれど、それは偽者の記憶だ。


2人と洋人君との時間のほうが遥かに長い。


当たり前のことなのに、胸の奥がうずいた。