殺人感染

☆☆☆

あたしの学生生活は順調だった。


放課後少し暇ということを除いては、友達も恋人もいて楽しい毎日を過ごしていると思う。


授業はまぁまぁだけど、特別難しいわけでもない。


きっと、このまま行けば普通に2年生になって、そこでも今とさほど変わらない日常を送ることになりそうだ。


そんな毎日を退屈だと感じることもあるけれど、そこそこ幸せを感じているので不満はなかった。


「そういえば今日、変な噂が流れてたな」


放課後デート中、純也がクレープをほお張りながら言った。


「なんだっけ?」


あたしは目の前のイチゴクレープに夢中で、噂話のことなんてほとんど忘れかけていた。


「ほら、昔の殺人鬼がよみがえる、なたいな話だよ」


「そういえば、そんな話をしてる子たちがいたね」


クレープを半分ほど食べ終えて、あたしはうなづいた。