(助かりたい……。

こんな命がけの鬼ごっこなんていう訳のわからないことで死にたくない……。

だけど、どうすればいいんだろう?

どうすれば夢野学園から出られるんだろう?)


理恵は答えが見つからない悩みを抱えながら、窓から校庭を見下ろした。


すると、そこにはもう小又兄弟がいなくなっていて、三名の男子生徒の死体が転がっていた。


その死体のうちの一人は、夢野学園の不良のトップ、桐野悟だ。


つまり、あの桐野悟でさえも、小又兄弟には勝てなかったのだ。


そう思うと、理恵の心の中に絶望が広がった。


どんなことをしても、小又兄弟には勝てない。


そんな現実が校庭に転がっているのだから。