「それじゃ、君に大チャンス!

オレのクイズに正解したら、僕は君を逃がしてあげよう」


「さすが兄ちゃん!

かっこいい!」


「グヘッ、グヘへへッ。

照れるな、良雄。

兄ちゃんはかっこいいぞ!」


小又兄弟が笑っているその足元で、陽子の顔は死への恐怖で歪んでいた。


小又兄が用意したクイズは、自分を救ってくれる蜘蛛の糸になるのだろうか?


陽子は先が見えない未来に恐怖し、ガタガタと体を震わせていた。