「ぎゃああああ!」


「誰か、助けて!」


教室の南側の廊下で相変わらず悲鳴が聞こえていて、その悲鳴に不安と恐怖が掻き立てられたが、理恵と真美は死の危機から逃れるために、廊下へと飛び出した。


そしてそのとき、真美は反射的に殺人鬼がいるかもしれない廊下の南側に目を向けた。


(ひどい……。

何なの、これ?

これって本当に現実なの?)


真美が恐怖に怯えながら目を向けたその先には、血まれの複数の死体の他に、その人たちを殺したと思われるたくさんの返り血を浴びた小柄な二人の男子生徒が立っていた。


その小柄な二人の男子生徒は夢野学園の制服を着ているけど、真美はその二人を一度も見たことはない。


一人は大ハンマーを持った子豚のように太った容姿の男。


一人はナイフを手にした死神のように痩せた容姿の男。


誰からの説明を受けなくても、この二人の奇妙な男が小又兄弟であることがすぐにわかった。


彼らは本当に10年間の時空を越え、この夢野学園に復讐をしに来たのだろうか?


だとしたら、この命がけの鬼ごっこに終わりはあるの?


もしかしたら、夢野学園の生徒たちは全員、小又兄弟に殺されるの?