「逃げよう、真美」


「うん、そうだね。

早く逃げよう」


「校舎の外に逃げればきっと大丈夫だよ。

小又兄弟はきっと校舎の外まで追ってこない」


真美は理恵の言葉にうなずき、理恵と共に全力で走り出した。


たくさんの生徒の悲鳴が聞こえてきたのは、この教室の南側。


つまり、三年二組の教室がある方だ。


その方角を避けて校舎を出るためには、北側にある階段を目指すしか方法がない。


真美は人が殺到している教室の入口に向かう途中でそんなことを考えていた。