(これってクッキーとかが入っているアルミ缶だよね。

フタにマジックでタイムカプセルって書いてある。

いったい誰がこのアルミ缶を花壇に埋めたのだろう?)


香織がそんなことを考えながらアルミ缶を開けてみると、その中には手紙が入っていて、香織はその手紙を広げてみた。


タイムカプセルと書いてあるアルミ缶は変色してボロボロなのに、カプセルの中に入っている手紙がそれほど傷んでいないのが不思議だった。


この手紙は夢野学園の卒業生が残したものだろうか?


だとしたら、この手紙に何が書いてあるか興味深い。


香織は少しワクワクしながら、その手紙に目を向けた。


そしてその手紙に赤色の太字で書かれている一行目の文章が、香織の心を引きつきた。


【弱者の呪い!】


いつも大切に手入れしている花壇にこんな手紙が埋まっているなんて想像したこともなかった。


だってこの花壇はキレイなサルビアの花が咲き誇っている場所だから。


香織は手紙に書かれている呪いという言葉を気にしながら、その手紙を読み始めた。