「梅ちゃんは何買ったの?」

「お菓子。そっちは? もしかして、デートしに来たの?」

「えっ! いや、違……っ! 気分転換だよ!」



ちょっぴり口元をニヤつかせた梅田さん。
そして慌てて否定した景斗くん。


え、気分転換⁉ これ、デートじゃなかったの⁉
嘘! 完全にデートだって思ってた……!

あああ、初デートだってルンルンしてたのが恥ずかしい……!


……でも、付き合ってるわけじゃないし。
景斗くんにとっては、友達との外出としか思ってないよね。何浮かれてたんだか。



「ふーん……そのわりには随分服装がキメキメに見えるけど。本当に気分転換?」

「……梅ちゃん、ちょっと話そうか」



顔を真っ赤にした景斗くんが梅田さんにコソコソと話し始めた。


梅田さん、可愛らしい見た目だけど、口調がすごくクールだ。

クラスの男子達を見て、「本当単純なんだから……」って呆れてそう。

きっと精神年齢が高いんだろうな。



「……頑固だねぇ。制服デートは入らないの?」

「それは別だよっ。連絡も待ち合わせもしてないから」



何の話してるんだろう……。

梅田さんの表情と接し方を見る限り、景斗くんのことはバイト仲間としてしか思ってなさそうだ。