お日さまみたいな温かい君に包まれて

彼らの泣き声に耐えながら次のエリアへと移動。


うっ、手術室だ。
ランプがついてるから誰か中にいるっぽい。


怪しく扉を照らす赤い光の下を、息を殺して通過すると。



「返して……! 赤ちゃん返してぇぇ‼」



突然手術室のドアが開き、お腹に真っ赤な包帯を巻いた髪の長い女の人が飛び出してきた。

「ギャーー‼」と今日イチの声量で叫び、雪塚さんにガバッと抱きつく。



「俺じゃありません‼ 取ってません‼ 俺じゃないですーっ‼」

「し、清水くん落ち着いて! 大丈夫だから!」



パニックになって叫びまくる俺の背中を優しく擦る雪塚さん。

目をギュッと瞑ったまま、彼女に誘導してもらい、「もうすぐ出口」の看板が立っている場所まで辿り着いた。



「勝手に抱きついてごめん……」

「大丈夫、気にしないで。少し休憩しようか」

「うん……」



壁に手をついて呼吸を整える。

優しさと気遣いが羞恥心を刺激して、顔を合わせることができない。


かっこわる……。


大丈夫と言ってくれたけど、汗だくのまま抱きつかれたら、誰だっていい気分はしないはずだ。

あと少しだし、もう腕にしがみつくのはやめよう。