その日の夜、校長から電話があり、校長からその話を聞かされた瞬間、オレはハッとして心臓が止まるような思いを感じた。


「梅田先生、大変なことが起きた。

キミのクラスの生徒、柏木愛美が死んだ……。

不可解な事故死らしい」


(柏木愛美が死んだだって?

あのクラスの人気者だった柏木愛美がなぜ?)


オレが柏木愛美の死の理由を考えたとき、真っ先に思い浮かんだのが呪いだった。


だって、死ぬ理由がない生徒が次々と死んでいく今の状況は呪われているという表現が一番合っている。


そして宮国中学の三年二組の生徒を呪っているのはクラスでいじめられていたあの杉田忍だ。


杉田忍は死してなお、あの教室に恨みと憎しみを持っている。


だとしたら、どうすればこの復讐の連鎖を止められるのか?


オレはスマホから聞こえてくる校長の声を上の空で聞きながら、忍からのラインのメッセージを思い出していた。


『もしも呪いを解きたいのなら、私が書いた遺書を探せ。

その遺書には呪いを解くカギがある。

私の思いがそこにある』


(忍の遺書は本当にあるのか?

もしも忍の遺書が存在するなら、なぜ忍の親はその遺書を公開しないんだ?)


オレは浮かび上がってくる疑問を頭の中で考えていた。


忍の呪いの連鎖を止めるために。