(ウソだろ、こんなの……)


オレが目にしたのは、横滑りしながら猛然とオレに近づいてくる大型トラックだった。


オレがどんなに素早く逃げたとしても、もうそのトラックからは逃げられない。


オレは忍の呪いにいつの間にか、はまり込んでしまったのだ。


もう後戻りできない時間の中で、オレはこれから訪れる最悪の運命を受け入れざるを得なかった。


(底辺だったはずだろ、忍なんて……。

それなのに、どうして?)


ブレーキを踏んでも止まりきれない大型トラックがオレの体をゴムボールのように弾き飛ばした。


オレはまるで忍の交通事故を再現したかのように、大型トラックにひかれたのだ。


仰向けに倒れ頭を強打したオレは身体中に激痛を感じながら忍の不気味な笑い声を聞いていた。


そしてオレはそんな忍に言葉を返す気力もなく、やがて意識を手放していた。